アロマテラピーとは

アロマテラピーとは、ハーブ等の植物から抽出したエッセンシャルオイルを使って心身の不調を整える療法。ヨーロッパでは医療の一環として定着していますが、最近は日本でも女性を中心にエッセンシャルオイルを健康や美容に取り入れられるライフスタイルが広がっています。アロマテラピーには色々な方法がありますが、共通するのは薬効だけでなく心地良さもともないます。家庭で実践できるアロマテラピーのテクニックをご紹介いたします。

アロマテラピーの
テクニック

芳香拡散

エッセンシャルオイル(精油)の匂いは、精神上のバックアップをします。精神的な状態が、身体的な状態に影響するという事実は言うまでもありません。エッセンシャルオイルが私たちのストレスを緩和したり。精神面で大きく高価を示すことから、幅広く利用されています。また、自然な精油には殺菌効果があります。それを拡散させることは、空気浄化の有効な方法です。その香りは、嗅覚を刺激し、心地良い気分にさせ呼吸をゆったりさせ、リラックスしてくれるでしょう。
芳香拡散による吸入のメカニズム空気中に拡散された香りは、まず、鼻腔を通り、この上部に嗅覚器があります。その先で芳香粒子をキャッチし、嗅球という受容器を経て、嗅神経によって大脳へと送られます。ここで精油から放出された誘因物質が、大脳辺縁系を刺激し、さらに、脳幹の中の自律神経に作用し、交感神経や福交換神経の働きを活発にします。また、精油を嗅ぐと、気道から芳香粒子は肺に入り、血流に乗って全身を巡り身体の働きを活発にしてくれます。

アロマバス

精油を乳化させ浴槽に入れて沐浴することを、アロマテラピーではアロマバスといいます。精油の成分は皮膚からと、蒸気を鼻から吸い込むことにより体内に吸収されます。また、入浴による温熱刺激は、抹消の血液循環をよくするので、皮膚からの精油の浸透も促されます。 毛細血管から吸収された精油の成分は全身を駆け巡り、心身の緊張をほぐして、疲労を回復させます。口や鼻から吸い込んだ精油成分も肺の毛細血管に吸収されて、同じく全身に行き渡ります。また、心地良い香りが精神に対する作用で気分がリラックスし、ストレスから解放します。

  • 精油は揮発性の成分が多く含まれているので、1人が入浴している間に 浴室内に蒸散しています。同じお湯に何人もが順次入浴する場合は精油2~4滴を新たに追加する必要があります。 次の人も、前の人が使ったの と同じ精油を追加したほうが無難です。違う精油を使うと香りが合わなかったり、ブレンドしてはいけない精油もまれにあるからです。
  • 子供は精油の量を半分にします。
  • 2歳以下の乳児には、精油の代わりに芳香蒸留水を使用して、沐浴させます。ベビーバスにはお湯を張り、芳香蒸留水を50ml入れます。
  • 天然塩に精油を入れて沐浴すると、体をより温めて発汗を促します。冷えや、むくみがある時に最適です。天然塩大さじ3と、精油4~6滴をよく混ぜて浴槽に入れます。
  • 精油とお湯は混ざらないので、お湯の表面に精油が浮きます。専用の乳化材(植物性の)に希釈して下さい。
  • 皮膚を刺激する成分が入っている精油は、使用量を控えめ(2~4滴ぐらい)にする必要があります。例えば、柑橘系のレモン、クレープフルーツ、スウィートオレンジ、メンソール系のへパーミントやスペアミントなどが該当します。 香りがいいからもつと入れてみよう・・・となりがちですが、入れすぎると敏感な場所(粘膜部分)がヒリヒリしたり、清涼感を通り越して痛みを感じる事もある
  • 合成成分の入った浴剤(一般的な市販の浴剤)に精油を入れて使用しなで下さい。アロマバスの効果が半減します。
  • 精油を入れたお湯でも、沸かし直すことが出来ます。
  • 残り湯は、洗濯に用いる事が出来ますが、最後のすすぎには、水道水を使用してください。但し、柑橘系の精油でアロマバスを行った時は、シミや黄ばみの原因になる事がありますので、避けた方が良いでしょう。

アロママッサージ

精油をキャリアオイルでブレンドしてマッサージを行うと、成分が皮膚から速やかに浸透するので、相乗効果が得られます。マッサージを行うと、筋肉の緊張がほぐれ、血液やリンパ液等の循環が良くなるので、新陳代謝が高まり、体に必要な栄養を体の隅々まで行き渡らせる事が出来ます。痛みや凝り、だるさなどの原因となる老廃物を排出させるので、細胞が活性化します。また、自律神経を調整して、ホルモンの分泌や臓器の働きを正常にします。一部の精油は、皮膚を刺激しないので、原液のまま使用する事が出来ますが、キャリアオイルにも薬理効果がありますし、精油の皮膚吸収を促すので、マッサージには欠かせません。希釈濃度は症状や目的によって、また、精油の特性によっても異なります。マッサージには新陳代謝が良くなっている湯上りに行うのが最適です。

内服

精油は、含まれている成分によって、皮膚から浸透させたほうが有効なものと、内服したほうが有効なものとがあります。本来なら、内服とマッサージなどの外用をきちんと使い分けたいところですが、残念ながら日本では精油の内服は認められていません。しかしながら、アロマテラピーが医療の一部として認められているフランスや、ベルギーなどでは、内服が中心に行われており、また、精油の特性を考慮すると内服でなければ得られない効果や、明らかに内服の方が有利な場合が多々あります。

Attention ご注意

精油は皮膚を刺激することがありますので、植物で作られたキャリアオイルで希釈してください。
アレルギーの方は、ご使用できないオイルもあります。アロマテラピストにご相談してください。
精油は2歳以下の乳幼児には使用しないで下さい。精油の代わりに芳香蒸留水を使用します。
病気治療中の方は必ず主治医に相談してください。
光感作用のある精油を皮膚に付けましたら直射日光に当たらないで下さい。しみやアレルギーが起こることがあります。